自社のサステナビリティの現状をご存じですか? 他国や他社はどうなのでしょうか? DHL Expressがグローバル規模で行った調査で、答えを見つけましょう。
サステナブルな物流は、もはやビジネスにとって「あれば良いもの」ではなく、必要不可欠な要素となっています。顧客や従業員、潜在的な投資家などステークホルダーは、長期的な価値と信頼性の重要な指標として、環境・社会・ガバナンス(ESG)の取り組みを、これまで以上に厳しく精査しています。
ESGを取り入れる企業は、カーボンフットプリントを削減するだけでなく、ブランドの評判を高め、競争力を強化し、長期的な財務成長を確保しています。
このたびDHL Expressは、おもに世界の中小企業(SME)を対象に、サステナビリティへの取り組み状況や、ビジネス戦略における優先度、環境によい物流への投資意欲、直面する課題などについてアンケート調査を行いました。
本調査レポートでは、主要な結果を分かりやすくまとめ、物流のサステナビリティを向上させるために取るべき具体的なステップをお届けします。
Sustainability matters: DHL Expressによるグローバルサステナビリティ意識調査
本調査は、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、中国、シンガポール、日本、メキシコ、カナダ、インドの11市場において、5,000名を超える中小企業の意思決定者にご協力をいただき実施されました。調査対象となった中小企業は、小売、消費財、専門サービス、エンジニアリング、ファッション、テクノロジー、化学、ライフサイエンス&ヘルスケア、金融サービスの9業種に及び、企業と持続可能性の関わりについて包括的に調査しています。
7 つの要点:
サステナビリティは企業の最優先課題
調査対象の全産業において、企業の少なくとも3分の2がサステナビリティを「重要」または「非常に重要」と回答しました。特に金融サービス業界とファッション業界ではこの意見が最も強く、両業界の回答者の81%が同様の回答をしています。
多くの中小企業はサステナビリティへの投資に消極的
サステナビリティの重要性について広く理解されているにもかかわらず、多くの中小企業は持続可能性への取り組みに対して十分な予算を割くことに消極的です。調査結果によると、53%の企業が事業予算の1〜3%のみをサステナビリティ活動に投資しようとしています。5%以上の投資を行う企業は9%にとどまり、16%の企業が投資ゼロという結果になっています。
中国とインドが持続可能性のリーダーとして台頭
世界的な製造・輸出の大国として知られる中国とインドでは、中小企業が積極的に持続可能な取り組みを進めています。調査によると、中国企業の72%とインド企業の59%が、サステナビリティを「重要」と回答しており、これは世界平均の35%と比較しても高い結果となっています。一方、日本企業においては、16%にとどまっています。
中小企業は、サステナブルなサービスへの需要に対して慎重な見方
世界的に見ると、顧客がサステナブルな配送に対して「望んでいる」または「非常に望んでいる」として、高い価格を支払うと考えている企業はわずか23%にとどまります。しかし国別では、インドでは51%、中国では47%の企業がそのように認識しており、サステナブルな需要に対する期待感の高さが際立っています。
中小企業にとっての主要課題は、社内外からの支持の確保
サステナビリティの目標の達成に向けた課題として、多くの中小企業は社内および顧客からの支持を得ることを挙げています。特にドイツではその傾向が顕著で、回答企業の74%のがこの点を懸念しています。
固定観念にとらわれないファッション産業
製造プロセスに関して厳しい報道が多い業界でありながら、ファッション産業は持続可能性に積極的な姿勢を示しています。この業界の回答者の81%が、サステナビリティは「重要」または「非常に重要」と考えており、ファッション関連企業の78% が、サステナブルな配送オプションの提供がブランドイメージの向上につながると感じています。
持続可能な時代に本格突入する金融サービス業界
金融サービス産業では、サステナビリティを「重要」と考える割合が最も高く(43%)、持続可能な取り組みに予算をあてる意欲も最も強い(88%)ことが明らかになりました。また、サステナブルな配送オプションの提供がビジネスの成功につながると感じている割合も高く、47%が「重要」または「非常に重要」と回答しています。
中小企業が持続可能なロジスティクスをますます重視する中、DHLはお客様の目標達成を支援するソリューションに投資しています。DHLグループがStrategy 2030で掲げる「Accelerate Sustainable Growth」は、GoGreen Plusのような業界をリードするソリューションにより、お客様のサプライチェーンの脱炭素化を支援するDHLのコミットメントの表れです。
DHLは、国際エクスプレス業界で最大規模の電気自動車保有台数を維持し、2023年には世界中の航空会社の中で、持続可能な航空燃料(SAF)の最大のシェアを達成しました。将来の市場需要を見越した低排出ロジスティクスへの投資は、今後の競争優位性を実現することにつながります。
トビアス メイヤー / DHL Group CEO
当レポートから、サステナブルなビジネス戦略に役立つさまざまなヒントを得てください。