DHL Trade Growth Atlas最新結果発表:昨今の国際情勢にもかかわらず、世界貿易は驚くほど堅調
プレスリリース: 2022年9月15日
- DHL Trade Growth Atlasは、世界貿易の最も重要なトレンドを地図化
- モノの国際貿易は、パンデミック以前のレベルを10%も上回る水準に回復
- ウクライナ情勢下でも、2022~2023年の貿易は、過去10年間の成長率を上回ると予測
- 貿易成長における東南~南アジア新興国の台頭、サハラ以南アフリカの輸出は劇的な増加を予測
- 2026年までの貿易成長予測では、ベトナム、インド、フィリピンがスピードと規模の両面で突出
重要ポイントまとめ: 成長、変化、機会
「DHL Trade Growth Atlas」は、世界貿易に占める各国や地域の割合の変化も測定しています。主な要点は以下の通り。
- パンデミックは、大方の予想に反し、世界貿易の大幅な後退にはならなかった。モノの国際貿易は、さらなる成長を制約する重大な供給ボトルネックに直面しながらも、パンデミック前の水準を10%上回る勢いで急増。
- 将来の貿易成長見通しは、驚くほどポジティブである。ウクライナ戦争のため、貿易成長率の予測は下方修正されたが、2022~2023年の貿易成長率は、過去10年間の成長率をわずかに上回ると予測。
- ECの売上はパンデミック時に急増し、今後も越境ECの力強い成長が続くと予測。
- 貿易成長の中心は東南~南アジア新興国に、またサハラ以南アフリカでの貿易成長の劇的な加速を予想。
- 貿易成長は、より幅広い国々に広がる。近年の貿易成長の4分の1を中国が占め、今後も最大の成長継続が予測されるも、その割合は13%程度に半減と予測。
- 2026年までの貿易成長予測では、ベトナム、インド、フィリピンがスピードと規模の両面で突出。これら3カ国は、中国中心の生産・調達戦略の多様化を目指す多数企業の努力から恩恵を受ける可能性を示唆。
- 2000~2012年の間に新興国が世界貿易に占める割合は24%から40%に増加したが、その半分を中国が牽引という割合は、この10年間ほとんど変化せず。
- しかし、新興国は接続性、技術革新、先進企業などの指標で前進を続けている。新興国は洗練された製品の重要な輸出国になりつつあり、低コストだけでなく、技術革新や品質面でも競争力が増加。
グローバルな貿易とそれがもたらす機会を理解する
「DHL Trade Growth Atlas」は、世界貿易の成長トレンド、地理的なシフト、貿易品の構成、ビジネス環境におけるより広範な変化について調査しています。本レポートでは、全世界、地域別、先進国・新興国別、173カ国のモノの貿易を分析しています。また、調査対象の国々について1ページのサマリーにまとめています。対象国を合わせると、世界の貿易、GDP、人口の99%以上を占めることになります。
NYUスターン経営大学院にあるDHL Initiative on Globalizationの上級研究員かつディレクターであるスティーブン アルトマン氏は、「私たちは、世界貿易の現状と軌跡に関する最も重要なデータを抽出し、地図や図表、その他の視覚的なコンテンツでデータを分かりやすく表現するよう努めました。その結果、先進国と新興国の両方、そして世界中の地域に、依然として大きな貿易成長の機会が存在することがわかりました。貿易の状況は変化し、新たな課題をもたらしていますが、このレポートは世界貿易が大きく後退するという予測に強く反発しています」と述べています。
「DHL Trade Growth Atlas」は、これまでDHLより発行されている「DHL Global Connectedness Index」シリーズを補完するものです。2011年から定期的に発行している「DHL Global Connectedness Index」は、モノとサービスの貿易に加え、資本、人、情報の世界的な流れをも含め、グローバリゼーションをより広範な視点で分析しています。両レポートは、有望なビジネスチャンスを特定し、貿易とグローバリゼーションに関する事実に基づいた議論をサポートするものです。
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