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B2Bにおける新しい世代の意思決定者と営業アプローチ

Anna Thompson
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B2Bにおける新しい世代の意思決定者と営業アプローチ

B2Bビジネスの現場では、新しい世代が決定権をもつようになりました。それに伴い、従来のB2Bの販売手法は変わりつつあります。これまでのような対面での商談から、Eコマースやオンラインを活用したハイブリッド型へと進化しています。では、これらをうまく調和させながら、優れた顧客体験を提供するにはどうすればいいのか、ヒントを紹介します。

企業間、いわゆるB2Bのビジネスは変貌しつつあります。一言で言うなら、古いやり方は排除され、新しいやり方が取り入れられているということです。B2Bセールスの主戦場であったバイヤーとサプライヤーによる従来のような対面型の商談は、新型コロナウイルス感染拡大で、ZoomやSkypeなどによるオンライン商談が一気に普及しました。しかし、変化を後押ししたのはそれだけではありません。

新世代のB2B意思決定者です。Y世代とも呼ばれるミレニアル世代は、今やB2Bの購買決定権者の約4分の3を占めていると言われています1。彼らは若く、デジタルに精通し、いつでもどこでもオンラインで注文できる世界で過ごしてきました。こうした背景がやがて彼らの働き方、特にアフターコロナの働き方に影響を与えるのは当然のことと言えます。

ガートナー社の調査によると、ミレニアル世代の44%が、B2Bの購入過程で営業担当者との対面のやりとりを望んでおらず2、たとえ高額な注文でも、セルフで発注することを好むようになっています。つまり、Eコマースへの投資を始めていないB2B企業は、時間の経過とともにますます多くの販売機会を失うリスクがあるということを意味しています。

しかし、単にEC化を加速すればいいというものではありません。売り手と買い手の双方に利点をもたらす、デジタルと対面をバランスよく取り入れた、新しいハイブリッド型の販売スタイルを構築することが重要になります。

B2B ウェブサイトを見直す  

まず、最初に見直しをすべきは検索機能です。マッキンゼー・アンド・カンパニー社(McKinsey & Co.)3は、世界中の主要なB2B意思決定者を対象に調査を行い、「今後サプライヤーを検討する際、最も有益な方法は何か」というアンケートを行いました。その結果、最も多かった回答は、サイト内検索でした4

ここでカスタマージャーニーを考えてみましょう。購入前に行う商品やサービスの検索 - つまり必要としているものが調達できるかどうかを確認するための最初のチェックです。営業担当者の案内がない場合、バイヤーはECサイトやマーケットプレイスを訪れ、欲しいものを見つけるために検索エンジンを頼ります。実際、ウェブサイト訪問者の43%がすぐに検索ボックスにアクセスしています5。ですから、ウェブサイトに検索ボックスが表示され、製品カテゴリーやタイプ、価格などで絞り込み検索ができる機能が備わっているかを確認してください。

次に、商品ページが常に最新であることが重要です。商品の詳細情報と高画質かつ様々なアングルの写真が適切に掲載されているか確認しましょう。商品によっては動画も効果的です。

ECサイトを構築する際は、画面の向こう側にいるミレニアル世代のバイヤーを念頭に置きましょう。この世代は、普段から慣れ親しんでいるB2Cのオンライン体験と同じことをB2Bにも望んでいます。つまりウェブページの読み込み速度が速く、直感的にわかりやすいナビゲーション、おすすめの商品の提示、入力を最小限に抑えたシンプルな入力フォーム、複数の支払いオプション、柔軟な配送を備えたユーザーフレンドリーなウェブサイトです。DHLが発行する「究極のB2B Eコマース・ガイド(英語のみ)」は、カスタマー・エクスペリエンスの必須項目をチェックするのに役立ちますので、ぜひご一読ください。

検索バーの設置とログを確認する

検索バーは、購入者にとって重要なだけでなく事業者側にとっても、貴重なデータを多く提供してくれるため、顧客のニーズをより理解しビジネスを改善することが可能となります。検索ログを分析することで、購入者の課題や需要のある商品を知ることができ、ウェブサイトの機能改善やユーザーエクスペリエンスの向上、在庫商品の拡大や絞り込み、今後のマーケティング、プロモーションに活用することができます。

ハイブリッドな営業体制を整える

B2B販売の未来はオンラインだけだと勘違いしてはいけません。マッキンゼー社がB2Bの意思決定者を対象に実施した調査6(2021年2月実施)では、「オムニチャネルは今や例外ではなく、標準である」という結果が出ています。バイヤーは、複数のチャネルを組み合わせることを好み、対面、リモート、デジタルを巧みに使い分けるということを明らかにしています。つまり、ハイブリッド営業が最も一般的な営業スタイルになりつつあるということです。

では、チャネルミックスとはどのようなものでしょうか。

営業担当者は、自社のウェブサイトをリードジェネレーションツールとして見るべきです。分析ツールを使えば、顧客の検索履歴や、商品がカゴ落ちしたかどうかを知ることができます。それらを基に、経験豊富な営業担当者が親切にフォローアップの電話をかけ、顧客の不安や懸念事項を解消すれば、販売につながる可能性が高まります。営業が顧客に連絡するためには、連絡先などの顧客情報を事前に入手する必要があるため、見込み客にクーポンを表示するなどして、ウェブサイトへの情報入力を促進することも検討しましょう。

また、ライブチャット機能を搭載し、営業担当者が顧客の質問に即座に答えることができるようにすることも、ひとつの方法です。顧客はよりパーソナルな体験を得る一方、営業担当者は自分が得意とする営業トークやテクニック駆使して、販売を成立させることが可能です。

柔軟な価格設定を維持する

営業担当者が得意とする営業手法のひとつは、価格交渉です。これは、オンライン化が加速したからといってなくす必要はありません。顧客は、常に最良の価格を求めているのです。プライスマッチ(競合他社と比較した際に、価格を同等またはそれ以下に設定する)保証を導入し、ECサイトで明確に宣伝すれば、購入を後押しすることができます。

同様に、ウェブサイトでカゴ落ちした顧客に連絡する際にも、価格交渉が有効な手段となります。フォローアップの電話をすることで特別価格を提示したり、割引コードを記載したEメールを送ったりすることで、購買意欲を再燃させることができます。

パーソナルな体験を忘れずに

最後に顧客のニーズにあわせたパーソナルな体験を提供することを忘れないようにしましょう。バイヤーの69%は、それぞれのニーズに合わせて売り込みをしてくれる企業を求めています7

ウェブサイトを通じてフィードバックを募るにせよ、見込み客に直接電話をかけるにせよ、あらゆるコミュニケーション手段を用意しておくことが大切です。顧客が抱えている課題や目標、そして商談を成立させるために必要なことを尋ねてみてください。これらの情報を営業、デジタル、マーケティングなどの部門間で共有することで、より良いサービスの提供につながります。