DHLの専門的な物流ソリューションを活用して、日本のアニメ、漫画、フィギュアなどのおもちゃをシームレスに世界市場へ届ける方法を探ってみましょう。
セーラームーン、ワンピース、ラブライブ!、遊戯王…。これらの名前を知らない人はほとんどいないでしょう。しかし、これは日本を代表するポップカルチャーのほんの一部に過ぎません。日本のアニメ、漫画、ゲーム、おもちゃは、今や世界中で大人気となり、国境を超えて愛されています。
日本の国内総生産(GDP)は4兆2106億米ドル(2024年2月内閣府発表)で、世界第4位の経済大国です。2022年のアニメ産業市場規模は、日本動画協会の調査によると2兆9277億円(約186億米ドル)と史上最高を記録しました。その中でも、海外市場は過去最高の1兆4592億円(約9.3億米ドル)に達し、市場拡大をけん引しています。こうしたポップカルチャーの輸出は、日本経済にとって重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
なぜ日本のアニメが世界で評価されるのか?
日本のアニメは、豊かなストーリーと高いクオリティで知られ、世界中の幅広い年齢層に支持されています。世界240か国以上のユーザーが利用する「MyAnimeList」では、アニメが16以上のジャンルと50以上のテーマに分類されており、あらゆる嗜好を満たすコンテンツが揃っています。YourDictionaryの調査でも、Z世代の69%、ミレニアル世代の57%、X世代の40%が定期的に漫画やアニメを楽しんでいることがわかっています。
世界的なアニメコミュニティの影響
アニチューバー(アニメや日本のサブカルチャーに関するコンテンツで人気を集めるユーチューバー)やTikTokなどのソーシャルメディアが、アニメや漫画の情報を広める大きな役割を果たしています。さらに、アニメ・エキスポ・ロサンゼルス(AX)やアニメ・フェスティバル・アジア(AFA)などのイベントは、世界中のファンを結びつけ、新作の紹介やファン同士の交流の場を提供しています。
日本のマーチャンダイザーと小売業者
日本のおもちゃ輸出市場には、人気アニメや漫画のテーマに基づいた多種多様な商品が揃っています。例えば、スケールモデル、フィギュア、ぬいぐるみ、ビジュアルボード、ポスター、マグカップ、タオルなどがあります。
株式会社グッドスマイルカンパニーは、アニメ、漫画、ゲームのトレンドを理解し、それをビジネスに活かすことで成功しています。アニメコンテンツに関わるマーチャンダイジング、イベント、ラインセンス運用、アニメーション作品の企画・プロデュースなど多岐にわたるビジネスを展開しています。2023年の売上高は約630億円(4億400万米ドル)に達し、コンテンツを商品化することで大きな商業的成功を収めています。
日本のキャラクター&ホビー通販サイト「あみあみ(amiami)」の成功
大網株式会社が運営するキャラクター&ホビー通販サイト「あみあみ」*は、国内にとどまらず、海外でも大成功を収めています。同社の広報PR室統括である岩永梓氏は、「世界的な動画配信サービスの普及により、日本アニメを視聴する環境の格差がなくなり、越境ECを通じた日本のアニメ関連グッズの需要が飛躍的に高まった」と述べています。2024年7月より、同社は環境負荷に配慮した配送のために、持続可能な航空燃料(SAF)を使用して、航空輸送時の二酸化炭素排出を削減するDHL Expressの世界初のサービス「GoGreen Plus」を導入しました。迅速かつ環境を意識した配送サービスなど、海外の購買者に多様な輸送オプションを提供することで顧客満足度の向上を図っています。
* オフィシャルサイトはこちら: あみあみ
税関とコンプライアンスの理解
輸出書類
日本の輸出業者が製品を国際輸送する際のプロセスは、輸出申告書(税関様式C第5010号)の記入から始まります。この重要な書類には、輸出される商品の性質、数量、価額が詳細に記載され、税関長に提出されます。さらに、輸出者またはその代理人は、関連する請求書や必要書類をすべてまとめる必要があります。これらの書類は、貨物が関税法を遵守し、国際輸出に適格であることを証明します。
提出書類の概要
1. 輸出申告書(税関様式C第5010号)
2. コマーシャルインボイス
3. 関税法以外の法令で義務付けられている証明書、許可書、承認書など
関税と税金
商品の分類には統計品目番号(HSコード)が使われ、これが関税の決定に重要な役割を果たします。DVD、書籍(漫画)、おもちゃなどの娯楽品には特定のHSコードが割り当てられ、これによって関税が決まります。
*DHL Expressが提供するマイグローバルトレードサービス(MyGTS)は、国際貿易のための無料のオンラインポータルです。統計品目番号(HSコード)の検索や、関税を含めた諸費用の算出、各国の通関における制限や禁止事項などの確認ができます。また、あらゆる国での見込み陸揚げ費用を計算することができるため、出荷にかかわる総費用の見積もりも可能となり、価格戦略の最適化をサポートします。
禁制・制限品目
1. 国際財産権(IPR)
国際財産権(IPR)は、国境を越えたクリエイターや発明家の権利を保護するための基盤であり、グローバルな製品貿易において重要な役割を果たしています。この財産権を遵守することで、すべての輸出品が国際的な知的財産権法に準拠することが保証されます。例えば、アメリカではデジタルミレニアム著作権法(DMCA)によって知的財産の保護が強化されています。
2. ライセンス契約
ライセンス契約は、特定のアニメや漫画を原作とする商品の制作・販売を希望する企業にとって重要です。これらの契約により、グッズの制作権が許諾され、販売収益の一部がロイヤリティとして著作権者に還元されます。このシステムは、クリエイターに資金を提供し、新たなコンテンツ制作を支えることで、日本のアニメ産業を広く支えています。
3. 年齢とコンテンツの制限
日本のアニメや漫画は幅広いテーマを持ち、様々な年齢層に対応していますが、販売を展開する国の規制を遵守する必要があります。例えば、「サイコパス」や「進撃の巨人」、「デスノート」などのタイトルは、その論争を呼ぶメッセージやテーマのために、中国などで出版禁止に直面しています。
こわれもの商品の梱包と海外配送
コレクターやファンにとって、商品パッケージはフィギュアと同じくらい重要です。このような壊れやすい商品を発送する際には、適切な梱包方法が不可欠です。繊細なフィギュアなど内容物それぞれに適した梱包で商品を守り完璧な状態で商品を届けることが大切です:
1. 気泡緩衝材:フィギュアをひとつひとつ包んで梱包し、破損を防ぎます。
2. 発泡スチロールやエアクッション:箱の中でフィギュアが動かないようにし、輸送中の衝撃を吸収します。
3. 安全ラベル:「Fragile(こわれもの)」や「Handle With Care(取り扱い注意)」のラベルを貼ります。
4. 封緘(箱などの封を閉じること):しっかりとガムテープなどで箱を閉じ補強します。誤って開封されるのを防ぎます。
アニメのDVD、漫画全巻やコレクションとしてのおもちゃを出荷する際の課題
アニメのDVD、全巻揃った漫画の単行本、そしてコレクションとしてのおもちゃの輸出には、サイズや重量が異なる商品を管理し、輸送中の損傷を防ぐ必要があるなど、物流面で特有の課題があります。購買者にとって思い入れのあるエンターテインメント商品を完璧な状態で世界中のどこにでも問題なく届けるためには、商品の内容に応じた適切な準備が求められます。
アニメCDとDVD
CDやDVDの海外発送は、壊れやすいため安全な梱包が必要です。ディスクの機能を損なう可能性のある傷やその他の損傷から保護するため、安全で確実な梱包が必要となります。さらに限定盤など価値が高い商品は、盗難のリスクもあるため、しっかりとした管理が求められます。
漫画と雑誌
漫画の輸送には、破損を防ぎつつ、さまざまなサイズに対応できる梱包材が必要です。また、漫画の角や端は折れ曲がったり破れたりしやすいので、保護することを配慮しなければなりません。印刷の品質を保つため、高湿度や高温を避けることも重要です。
コレクション玩具
日本のおもちゃ業界には、小型軽量フィギュアから大型精密模型、ぬいぐるみ、小さな部品が多数ある複雑な模型など、さまざまな製品があります。それぞれに合ったカスタマイズされた梱包ソリューションが必要で、頑丈な梱包材を使用して、輸送中の衝撃から保護することが不可欠です。
アニメフィギュアや漫画を海外発送する物流パートナー
日本のアニメ、漫画、おもちゃを海外市場でビジネス展開するのであれば、海外配送については専門の物流パートナーに相談することをお勧めします。DHL Expressは、特別なエンターテイメント商品の管理や国際ロジスティクスの複雑さを熟知しており、業界をリードする専門知識と経験を持っています。
また、輸送面だけにとどまらず、日本のポップカルチャーの魅力を世界中の人々に伝えたいという情熱を共有し、信頼性と効率性に優れたカスタムメイドのロジスティクスソリューションをご提供します。DHL Expressは、日本のポップカルチャーと世界のファンをつなぐ架け橋として、お客様のビジネスを全力でサポートいたします。