#ロジスティクスアドバイス

海外発送に必要な書類とは?

4 min read
共有
facebook sharing button
twitter sharing button
linkedin sharing button
Smart Share Buttons Icon 共有
海外発送に必要な書類とは?

海外へ商品を発送する際には、通関手続きを円滑に進めるための書類が必要です。特にスモールビジネスやスタートアップ企業にとって、やらなければならないことが多い中、発送に関する通関書類の作成は煩雑で時間がかかる作業かもしれません。

このガイドでは、海外発送に必要な主な書類をご紹介します。適切な書類を用意することで、貨物はスムーズに目的地に到着します。この記事を参考に、ビジネスの国際展開にお役立てください。

コマーシャルインボイス(Commercial Invoice)

一般的に「インボイス」といえば、「コマーシャルインボイス*1」のことを意味し、書類以外の荷物を海外へ発送する際に必要となる明細書です。このコマーシャルインボイスは、日本での輸出通関時と、仕向国(相手国)の輸入通関時に提出を求められる税関申告書として機能します。インボイスには、以下のような貨物の詳細な記載が必要になります:

  • 発送する荷物(品目)の品名、数量、重量
  • 発送する荷物(品目)の原産国名
  • 発送する荷物(品目)の単価、小計金額
  • 統計品目番号(HSコード)

*1 インボイスの詳しい作成例は、こちらをご参照ください。

これらの情報を基に税関当局は輸入税や関税を計算します。インボイスには、国際的に定められた貿易取引条件(インコタームズ*2)に基づく税金と関税の支払い責任も明記されます。例えば、DDP(Delivered Duty Paid)は、売主(輸出者)がすべての輸入税と関税を支払うことを意味します。コマーシャルインボイスは、法的にも関税法を遵守するために必要なものであり、貨物を国外に送る売主(輸出者)と商品を購入する消費者(輸入者)の売買契約書としても機能します。

*2 インコタームズとは荷送人と受取人の発送に関しての合意内容を国際的に統一した用語です。輸出申告の際にインボイスに必ず記載が必要です。

船荷証券(Bill of Lading)

船荷証券は、国際海上輸送において運送人(例えば船会社)が貨物の引受を証明する法的文書です。仕向国や取り扱い指示などの輸送に関する詳細が記載され、荷送人と輸送会社のサインが必要です。配達時には受取人のサインが求められます。この書類は、海上輸送において非常に重要であり、資産の盗難を防ぐ役割も果たします。

航空貨物運送状 (Air Waybill)

航空貨物運送状(Air Waybill)*3は、貨物の「パスポート」として機能し、税関当局に以下の情報を提供します:

  • 発送人(荷送人)の氏名(法人または個人)、住所、電話番号、Eメールアドレス
  • 受取人の氏名、住所、電話番号
  • 貨物の内容物の説明(重量、寸法、金額を含む)
  • 貨物が物品販売が目的の場合、荷送人は荷送人と荷受人の納税者登録番号(Tax ID番号)の入力を求められることがあります。国によって必要な情報が違いますので、日本貿易振興機構(ジェトロ)のホームページで、事前に確認することをおすすめします。
  • 仕向地で発生する関税・消費税の請求先 (Duties & Taxes Paid-関税・消費税支払いもしくは、Duties & Taxes Unpaid-関税・消費税未払いなど)

運送状には通常、コマーシャルインボイスが添付され、貨物の価額を証明します。2つの書類の記載情報が一致しない場合、貨物は税関で留め置かれる可能性があります。運送状は貨物の外装に貼付され、追跡番号(Tracking Number)が記載されているため、貨物をリアルタイムで確認できます。

*3 DHL Expressでは2010年1月より運送状のフォーマット変更に伴い、名称は「Shipment Waybill/運送状」で統一しています。

原産地証明書(Certificate of Origin)

原産地証明書は、輸出または輸入される貨物の国籍を証明する書類です。最寄りの商工会議所で申請し、承認を受けます。原産地証明書には、下記2種類があります:

  • 特恵原産地証明書 (Preferential Certificate of Origin) - 自由貿易協定により商品は税金や関税の減免を受けることができます。
  • 非特恵原産地証明書(Non-preferential Certificate of Origin) - 貿易協定がないため、関税軽減の対象外であることを示します。

すべての国が輸入に原産地証明書を要求しているわけではないので、事前に現地の港湾当局に確認することをおすすめします。

輸出入ライセンス(Export and Import Licenses)

各国は国境を越える商品に対して独自の規制を設けています。国内産業を外国との競争から守るため、もしくは危険な化学物質や医薬品の輸出入を監視するなど、安全上の理由からとなります。

該当する商品を輸出入する場合、公的機関が発行するライセンスまたは許可書を取得する必要があります。事前に各国の最新の規則や要件を確認し、該当するのであれば適宜必要書類を取得します。

DHL Expressでは、各国の最新規則を確認することができるマイグローバルトレードサービス(MyGTS)を無料で提供しています。

パッキングリスト(Export Packing List)

パッキングリスト(Packing List)と呼ばれるこのリストは、輸出入取引に必要な梱包明細書となります。荷物の総数、容積、重量、商品の説明、梱包形態などの重要な情報が記載されています。

国によってパッキングリストの添付の義務付けの有無は異なります。添付をする場合は、コマーシャルインボイスや航空貨物運送状の情報とすべて一致させる必要があります。通常、輸出梱包リストは荷物の外装に、そのコピーを荷物の内側に貼付します。輸送プロセスを円滑に進めるための重要な書類のひとつです。

保険証明書(Insurance Certificate)

海外への発送において貨物の損害発生を回避するために保険*4を利用することは一般的です。保険証明書は万が一貨物が紛失・破損したなどの場合に、補償を証明するものとなります。

 

*4 DHL Expressが提供する運送保険の詳細を確認する 

オールインワンの無料通関ポータルサイト「マイグローバルトレードサービス(MyGTS)」

あらゆる通関書類の準備や各国の規制が伴う海外発送は確かに煩雑なように見えます。DHL Expressでは、効果的かつ効率的にビジネスを展開できるよう便利な無料ツールをご提供しています。

AI搭載のMyGTSはコマーシャルインボイスの作成に必要な統計品目番号(HSコード)の検索や、関税を含めた諸費用の算出、各国の通関における制限や禁止事項などの確認ができます。

海外発送に必要な書類を準備するにあたって、是非この便利なツールをフルにご活用ください。