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アメリカへの発送をスムーズに!簡単ステップと業種別アドバイス

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アメリカへの発送をスムーズに!簡単ステップと業種別アドバイス

日本からアメリカへ発送するための3つのステップ

海外発送は、事前の計画と規制の理解、そして確かなロジスティクスパートナーを選定することが鍵です。日本からアメリカへのスムーズな配送プロセスを、3つのステップでわかりやすく解説します。

 

ステップ1:発送の基本を押さえる

まずは、日米間の配送の基本を理解しましょう。通関規制や配送オプション、所要時間の目安を把握することが大切です。特に「日米貿易協定(USJTA*1)」などの貿易協定を熟知しておくと、コストや効率面で大きなメリットが得られます。また、規制対象の商品を理解することで、通関でのトラブルを避けることができます。

*1日米貿易協定は、日米両国の二国間貿易を強力かつ安定的にするために、農産品と工業品の関税を撤廃または削減するものです。日本から米国へ物品を輸出する場合、品目によっては関税の撤廃・削減等の対象となります。

ステップ 2:発送準備を整える – 書類と梱包

次に、発送に必要な書類と適切な梱包材を準備します。国際輸送においては、運送状、インボイスや輸出申告書、そして品目によっては原産地証明書や植物検疫証明書などの特定の書類が必要になる場合があり、書類の不備が配送遅延につながることもあります。(詳しくは「海外発送に必要な書類とは?」の記事もご参照ください。)また、商品の梱包も重要です。強固な段ボールや適切な緩衝材を使い、輸送中に商品が破損しないようしっかり保護しましょう。(梱包に関する詳しいアドバイスはこちら

ステップ3:通関手続きをスムーズに進める

通関は、海外発送で最も複雑なプロセスの一つです。日本やアメリカでは、それぞれの輸出入規制に沿った厳格なチェックが行われます。関連する書類を適切に準備することで、スムーズな通関が可能になります。

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業種別発送アドバイス

 

自動車および部品

アメリカは、日本の自動車部品輸出の最大の市場であり、日本の高品質な自動車や部品は高く評価されています。自動車部品は多岐にわたり、具体的には、エンジンやトランスミッション、電装部品、サスペンション部品、ブレーキシステムなどが含まれます。最近では、電動自動車車やハイブリッド車向けのバッテリーやモーターも人気の輸出品目となっています。輸出するにあたって、通関では安全基準や環境基準をクリアする必要があり、米国環境保護庁(EPA)やアメリカ合衆国運輸省(DOT)による検査が求められます。

自動車部品の輸出では、航空輸送の「速さ」が重要となります。多くの自動車製造企業が航空輸送を選択する理由は、生産ラインを滞らせることなく部品を迅速に納品できるため、製造コストの削減や納期の短縮に大きく貢献するからです。

  • 主な製品例:自動車、オートバイ、エンジン部品
  • 必要書類:排ガス基準証明、安全基準証明

 

電子機器

日本の先進的な電子機器もアメリカで高く評価されています。アメリカに輸出するには、米国連邦通信委員会(FCC)の基準を満たすことが必須です。また、UL規格*2の認証取得は任意ですが、商品の安全性と信頼性を確実なものにするためには有効です。

なお、電気機器に限りませんが、通関手続きの種類や非課税基準額などを把握していることも重要です。(詳しくは「アメリカ/ECビジネスを成功させるためのヒント」もご参照ください。)

*2 UL規格とは、製品安全性の認証を行う第三者機関NRTL(Nationally Recognized Testing Laboratory)のうちの一つであるUL社(Underwriters Laboratories Limited Liability Company)が定める電気製品・医療機器・機械・器具などに対する安全規格です。州によって違いますが、アメリカの電気製品の多くはUL認証品となっています。

  • 主な製品例:カメラ、コンピューター、携帯電話
  • 必要書類:FCC準拠証明書

 

農林水産物・食品

日本からアメリカに輸出される農林水産物・食品は年々増加しており、2023年には2,000億円*3を超え、過去最高を記録しました。特に健康志向の高まりを背景に、「緑茶」の需要が伸びています。また、日本食レストランの増加に伴う外食需要の回復から、ウスターソース、マヨネーズ、ドレッシング、焼き肉のたれなどの「ソース混合調味料」の需要も増加しています。

農林水産物や食品をアメリカに輸出する場合、各種制度、規制を理解する必要があります。主なものでは、検疫に関すること、食品衛生の安全基準、農薬・抗生物質・添加物に関する制度、容器・表示ラベル、販売に関する規制、税に関する制度など多岐に渡ります。例えば農産物であれば、病害虫の予防や食品の安全基準が重視され、米国農務省(USDA)やアメリカ食品医薬品局(FDA)の監督下で必要な手続きが発生します。

  • 主な製品例:水産物、農作物(果物、野菜、肉類)、林産物
  • 必要書類:植物検疫証明、衛生証明

*3 参照:農林水産省- 2023年の農林水産物・食品の輸出実績

 

医薬品および医療機器

医薬品や医療機器は、厳しい衛生および安全基準をクリアする必要があり、輸出するにはアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認が必須です。アメリカでの医療機器の定義は、日本と比べて、対象品目の範囲が広いと言われています。日本では健康グッズや美容の嗜好品とカテゴリー分けされる商品も、アメリカでは医療機器に分類されるケースもあります。使用目的などによって医療機器に該当するかどうかが判断されるため、例えば、「耳かき」や「歯ブラシ」なども場合によっては該当することがあります。

医療機器に該当する商品をアメリカに輸出し販売する場合、多くの申請や登録手続きが必要です。商品はさらにクラス分けされ、それぞれ異なる手続きが求められますが、FDAの承認後は共通して「医療機器施設登録」へと進みます。また、医療機器を米国に輸出する場合は、米国在住者または事務所の設置者である代理人を1名任命することが義務付けられています。施設登録も定期的な更新や年次登録料の支払いが義務付けられるなど、留意事項は多々あります。

  • 主な製品例:処方薬、医療機器
  • 必要書類:FDA承認証明、衛生証明
close-up of a boxes with a shopping cart logo with an american flag in the background

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